陥没乳頭形成術

乳首がへこんでいる状態のことを陥没乳頭といいます。
美容面だけの問題ではなく、授乳ができない、赤ちゃんに乳首をくわえさせられないなどといった問題も生じます。
また汚れがたまり雑菌が繁殖しやすい不衛生な状態になりやすく、乳腺炎になりやすいリスクも発生します。
 
将来的に出産・授乳を予定している方は保険が適用されますが、美容目的の場合は適用されません。
男性も手術をお受けいただけます。
 
 

陥没乳頭の原因

陥没乳頭は、乳腺から作られる母乳を乳首まで運ぶ乳管が十分に成長せず短い場合に起こるとされています。
女性の中で数%程度の割合で見られる症状で、多くは両側に発生するといわれています。
片側だけの発生は少なく、思春期ごろに気づくことが多いとされています。

陥没乳頭の適応

 

  • 乳首がへこんでいる
  • 授乳に障害がある
  • 乳輪下膿瘍をくり返す

陥没乳頭の手術実績

 
2024年 25件(11月現在)
2023年 26件
2022年 11件
2021年  1件

手術の流れ

  1. 診察
    状態を確認します。記録写真をとります。
  2. 麻酔
    注射での局所麻酔となります。少しだけ痛みがあります。麻酔後5~10分して施術致します。
  3. 手術
    30分~60分程度で終了です。
  4. 抜糸
    2週間後に抜糸します。

陥没乳頭の治療法について

当院で行っている陥没乳頭の治療法は、「酒井法」と呼ばれる方法です。
 

酒井法(I法)

この治療法では、乳頭(乳首)を二つに分割し、縮んでしまった乳管を皮膚から切り離すことで陥没を修正します。当院においても、この方法で治療を行う場合、再発のリスクがあることをご理解いただく必要があります。
 
再発を防ぐためには、術後の適切なケアが非常に重要です。そのため、患者様のご協力が欠かせません。また、術前には治療に伴うリスクや再発の可能性について、そして再発時の対応方法についても丁寧にご説明いたします。
 
患者様が納得された上で治療を受けていただけるよう、しっかりとサポートいたしますので、安心してご相談ください。

陥没乳頭手術に伴うリスクについて

術後の変形

術後に乳頭が変形し、いわゆる「コーヒービーンズ様変形」を起こす場合があります。このような場合には、状況に応じて再手術を行うことで対応します。
手術の目的は、授乳が可能な形状にすることです。そのため、ある程度の変形が生じる可能性については、事前にご理解いただく必要があります。
 

陥没の再発

陥没乳頭形成術は再発のリスクが比較的高い手術とされており、約10%の確率で再発すると言われています。そのため、慎重な手術が求められます。再発が強い場合には、再度の手術が必要になることもあります。
 

乳頭壊死

ごく稀ではありますが、血流障害が起きることで乳頭の一部が壊死する可能性があります。

手術料金

保険診療

  • 今後授乳をする予定がある方の場合、保険適用になります。
  • 下記料金以外にも初診料、再診料、処方料、薬剤料がかかります。
  • クレジットカードをご使用いただけます。

 

片側

3割負担の場合 22,050円

 

自費診療(美容目的) 

  • クレジットカードをご使用いただけます。
  • 下記料金は薬剤料を含みます。
  • クレジットカードをご使用いただけます。

 

初診料

3,300円

再診料

1,100円

片側

132,000円

両側 

220,000円

※表示価格は税込です。

陥没乳頭形成術の留意点

予約の要否 初診は診察順番予約で番号をお取りになりご来院ください。
手術日 初診時に手術日をご予約いただき、後日手術を行います。
手術時間 30~60分 
ダウンタイム 3週間
抜糸 あり(2週間後に抜糸) 
通院回数 6回(初診/手術/手術翌日/抜糸日/1ヶ月後/3ヶ月後)
持続性 ★★★
コンタクトレンズ -
洗顔
シャワー 当日から可能 
入浴 翌日から可能
メイク -

手術後の経過

 
手術翌日にはご来院いただき、状態を確認したうえで専用フィルムを用いて保護を行います。
このフィルムのおかげで、翌日からシャワー浴が可能です。
ただし、フィルムが剥がれないように優しく洗ってください。
フィルムによる保護は約1週間が目安です。
2週間後に抜糸を行います。
その後は、スポンジパッドや固定具を使用して乳頭を保護する期間が4~6か月程度続きます。
緩めのブラジャーを着用することで、快適に過ごしていただけます。
 
詳しい内容は女性看護師がご説明いたします。不明な点やご心配なことなどがありましたら、お気軽にご相談ください。

合併症・副作用

腫れ

術後、腫れが生じることがあります。2週間ほどで治まります。

内出血

術後、内出血が生じることがあります。2週間ほどで治まります。

痛み

痛みは1~3日ほどで治まります。痛み止め処方を処方いたします。

内出血

術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。

傷跡

乳首の根本に2箇所、2mmほどの傷ができますが時間の経過と共にわからなくなります。

Q&A

Q. 手術は痛いですか?

A. 局所麻酔時に痛みがありますが、手術中は痛みはありません。

Q. 手術後は痛いですか?

A. 当日、翌日ぐらいまで痛みが続くことがありますが、ごく軽いものです。

Q. 手術後の処置は?

A. 手術当日からシャワー浴は可能です。

Q. 入浴はいつから可能ですか?

A. 手術翌日から可能になります。

Q. 再発することはありますか?

A. 乳頭形成術においては、症例の種類によって術後の再発率が異なるため、一概に断言することはできません。ただし、再発の可能性があることは確かです。そのため、再発をできる限り防ぐためには、術後の処置を適切に行うことが非常に重要です。

Q. 保険適用の条件は?

A. 将来的に授乳の予定がある方、陥没乳頭が原因で乳腺炎や乳輪下膿瘍を繰り返している方が適用になります。美容目的の場合は適用にはなりません。